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日本で唯一の〈こどものための古本店〉前編

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絵本と児童書の専門店  こども古本店  代表 中島英昭さん

 

窓からは五条川とそのほとりの緑が見え、壁一面に置いてある絵本の空間をさらに楽しい気持ちにさせてくれる。 ここは北名古屋市にある、日本で唯一の〈こどものための古本店〉のオフィス。

代表の中島さんは現在、多くの絵本を求めている保育団体等に向けて10,000 冊もの絵本を寄付する活動を行なわれています。 古本店を営んでいるのに、そんなにたくさんの寄付活動を?そんな疑問とともに「こどものための古本店」について中島さんにお伺いしました。

 

まずは「こども古本店」の成り立ちについて教えて下さい。

今から10 年以上も前になりますが、以前働いていた古本屋の出来事がきっかけです。通常、古本店では絵本の取り扱いが少なく、そのときのお店も同様でした。でも、そこの僅かな絵本を楽しみに、毎日通って下さるお母さんを見て、「もしかしたら、もっとたくさんの絵本古本を求めているのでは?」と気付き、安心で手頃な絵本を多くの親子へ届けていきたい思いから今のお店を開きました。また、この仕事を選んだ原点とも言えるのは祖父の影響も大きいと思います。僕の祖父はおもちゃ屋さんを営んでいたのですが、いつも楽しそうにしていて。僕もいつかは子どもたちが笑顔になれる仕事、人に喜ばれる仕事をしたいと思い続けたのも力になったと思います。

 

「古本」に対する周りのイメージはどんな風に感じていますか。

古本は安価、というオトク感がある反面、衛生的な面での不安を抱く方もいるのでは、とも感じています。「こども古本店」で扱うのは絵本ですし、小さな子どもへ安心して与えていけるのが何よりも大切だと思っています。だからこそ、安心してたくさんの絵本を子どもたちへ提供できるように衛生面には力を注いでいます。そこで当店では書店・古本業界において初の「図書消毒機」を導入しています。この設備はすべての本に対し、植物油由来の安心な自然派洗剤を使用して 1 ページずつ本の殺菌・クリーニングをすることで安心感も届けています。また、このクリーニングはお客様のお手元に届く直前に行い、きれいな状態で読んでもらえようにしています。

 

こちらの絵本はどのようなかたちで流通しているのですか。

当店のネットショップを通じ、ご家庭で読まれなくなった絵本を送ってもらっているのが主流です。こちらに届いたら、査定をしたのち買い取らせて頂いております。また、絵本を求めている方は個人の方はもちろん、保育園などの団体・法人へ向けての販売もネットショップより承っております。

 

 

どんなところからの注文が多いですか。


個人からの注文も多いですが、たくさんの本を必要としている保育園や保育士からの注文も数多く寄せられています。ネットショップには常時 6,000 冊の品揃えでご希望される本(年齢・内容など)にも分かりやすく案内していることもあり、全国各地から注文をいただいています。

 

 

同じ絵本でも価格が違うのはどうしてですか。

一冊ずつ検品をし、本のランク付けをした上で価格設定もしているので、きれいさを求める方やオトクに欲しい方など、それぞれのお客様が求めるニーズにもしっかりと応えております。

 

 

ネットショップだけでなく、「移動販売車」も行なわれていますよね。

インターネットでいろんなものが買える現代では本もそのひとつです。統計では 5 年前は 330 の自治体に本屋がなかったのが今では 420もの自治体にないという現状です。自分の町に本屋がなくても大人はネットでも購入できますが、子どもはそういうわけにはいかず…。だったら「子どもたちがいる場所に絵本を届けよう」という思いから移動販売車での販売も開始しました。本屋のない場所にいき、子どもたちや保護者が直接手に取って選んでも らえるスタイルです。今は 2 台の販売車ですが、将来的には全国のどこの地域でも絵本が手に入るように移動販売の輪を広めていく予定です。このことは、本屋を開きたい本好きな大人、絵本を愛する大人の応援にもなるのではと考えています。

子どもに絵本を買い与えた人にとっては、思い出が詰まった本を次の子どもたちへと引き継がれていくのは幸せ なことなのかも。しかも、その絵本を一冊一冊、丁寧に扱ってもらい、「誰か」の笑顔をつくる一冊になるのは手元を離れたあとも嬉しい気持ちになれると感じました。そして、ネットショップだけでなく、移動販売車で直接手に取っての購入もできることでその人にあった購入スタイルもできる。何より、きれいな絵本を安価に購入できるのは、たくさんの本を与えてあげたい保育者にとってとても有り難いお店とも。

 

そんな「こども古本店」で寄付活動をしているというお話について、そして、絵本は中島さんにとってどんな存在かについても伺ってみたので、後編に続けたいと思います。

 

 

移動絵本屋 こども古本店
http://www.idouehonya.com/

紅林 満環子文責 紅林満環子(副編集長)

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相田彩香(知育ism編集長)

相田彩香(知育ism編集長)

息子一人、トイプードル2匹の母親。おひとり様カフェとジムで傾斜を上げたランニングマシーンで歩きながらの読書するコトが好き。現在は、あるプロジェクトを立ち上げようと、動き始めている。

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